多種多様なバラの秘密・人を魅了しながら現在に至るヒストリー
2016.04.28

IMG_0569

バラ。この名称からどんな花や植物を想像するでしょうか。人により違う色や形・香りをイメージされることでしょう。花屋の店先でも選択を迷うほどに幾種類も並んでいますが、このように多種多様なバラを堪能できる一例が『国際バラとガーデニングショウ』。世界のバラとガーデニングが紹介される国内最大規模の祭典で、毎年5月中旬に開催されています。

IMG_0571

香りの魅力から、バラへの探求を始めた私の宝物の一つが、『バラの誕生』(大場秀章 著 /中公文庫)。著者は植物分類学の専門家です。この本を参照しつつ、バラの種類と歴史について触れてみます。まず感嘆するのは、現在、鑑賞用植物として植栽されるバラのほとんどが自然界には存在しなかったものであり、天然の遺伝子資源から人間が作り出したものだということ。

IMG_0885

モダン・ガーデン・ローズ。園芸史上〈ラ・フランス〉(La France)という最初のハイブリッド・ティー・ローズが登場した1867年以降に作られたものはこう呼ばれ、それ以前に存在したグループに入るものはオールド・ガーデン・ローズと定義されたそうです。現在私たちが目にするバラの多くは、高い中心部と尖った花弁を特徴とするモダン・ガーデン・ローズなのです。

人が何らかの価値ありとした野生種を栽培したのを第一段階とすれば、自然交配により偶然生じた雑種の中から選別、流布が行われたのが第二段階。18世紀末、それまでの種類に加え独特の香りと外観、四季咲き性を持つ中国のコウシンバラおよびローザ・ギガンテアが導入され、これらとの人口的な異種間交配によって第三段階のモダン・ガーデン・ローズが誕生しました。

IMG_0573

では、モダン以前のオールドとは?現在ブルガリアで香料用に栽培されているダマスクバラもその一種です。オールド・ガーデン・ローズの中でもコウシンバラ導入以前にヨーロッパで栽培されていた四種は、ローザ・ガリカ、ダマスクバラ、ローザ・アルバ、キャベジ・ローズ。ガリカとダマスクは紀元前から存在した可能性もあり、とりわけ古い歴史を持つようです。

IMG_0884 (1)

オールド・ガーデン・ローズ。略してオールドローズは長い栽培の歴史を持ち、今もバラ園や愛好家により栽培され続けています。特に上述の四種には独特の芳香があり、ダマスク、アルバ、キャベジは香料用にブルガリアでも栽培されていると聴いています。これらのバラの花の外観は、高芯剣弁咲きではなく、薄くヒラヒラとした花びらのカップ咲き、平咲きが特徴です。

はてさて、バラはいつどこで生まれ、どんな理由で人に価値を見出だされたのでしょうか? 今から4000年近くも前、クレタ島のクノッソス宮殿で描かれたフレスコ画にみられる花が少なくともヨーロッパでは最古のバラである可能性を説く学者も存在します。しかし、より確実な形跡は「バラ」が文字として文献( 板書 )に登場する古代ギリシャ時代にあるというのです。

紀元前 1200年ごろのものと推定される板書がギリシャで発見され、バラが芳香のある塗油(皮膚に塗る油)作りに利用されていたことを記しており、それもかなりの利用量だったとか。この事実が示すのは、古代ギリシャ時代におけるバラ愛好の発端にまずはバラのもつ芳香があった可能性が濃厚であるということ。香り。まさに私がバラに魅かれた最初のきっかけと同じです。

いまや、何万種にものぼるといわれる多様なバラ。名称を全てを憶えるのは至難の技のようです。その系譜をさかのぼるとオールドローズ、そして野生種に辿り着くのでしょう。バラが人に見出だされ、利用され、増やされてきたとしたら、その発端の筆頭に挙げられる「香り」を無視することはできそうにありません。次回はこのテーマでバラを語りたいと思います。

<It’s so easyの商品からCurator sawaromaが選ぶおすすめ商品はこちら>
パレチカ ローズオットー天然精油

https://www.itssoeasy.jp/index.php?route=product
/product&path=61_74&product_id=654


Curator profile: sawaroma<アロマセラピスト・プランナー>
人にとってポジティブな意味をもつ香り、「アロマ」の魅力の探求者。様々な香りの魅力を、様々な立場の人に活かす仕事をしています。